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2021 年度 実施状況報告書

植民地統治下台湾における教員の社会的役割に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K02518
研究機関天理大学

研究代表者

山本 和行  天理大学, 人間学部, 准教授 (00584799)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード教員 / 植民地 / 台湾 / 学校 / 近代教育
研究実績の概要

本年度は、前年度までに実施した日本の植民地統治下の台湾における学校教育の配置をめぐる制度的な実態に関する研究成果を基に、実際に台湾各地の学校に配属され、現地の教育活動に従事した教員、特に日本「内地」から台湾に渡った内地人教員に注目し、それぞれの教員がどのような経歴・経験を持ちながら、どのような形で教育活動に従事していたのかを明らかにすることを目指し、研究を進めた。
具体的には、1895年の日本による台湾領有直後に台湾へ渡った内地人教員の経歴に関する研究を、台湾総督府の公文書である「公文類纂」に所収されている人事関係の書類、および学校教員を中心に結成されていた教員団体である「台湾教育会」が発行していた『台湾教育』所収の記事を基に進めた。また、植民地教育に従事する教員、とりわけ内地人教員にとっての「精神的な拠りどころ」であった「芝山巌精神」の形成過程に関する研究を進め、「芝山巌」という場所が教員たちの「聖地」として位置づけられていく過程のもと、その「精神性」が少しずつ語られ、共有されていくプロセスについて明らかにした。
上記の研究活動にかかる研究成果については、2021年6月に発行された『日本台湾学会報』第23号に論文として掲載されるとともに、2022年3月にオンラインで開催された天理台湾学会第3回台湾研究会において研究発表をおこなうことで、成果の共有を図った。
ただし、前年度より継続する新型コロナウイルスの世界的な感染拡大のもと、海外渡航制限や日本国内での移動制限・各種公共施設の利用制限が続く中、研究を進めるための資料調査には、なお大きな制限が課せられている。そのため、インターネット上に公開されている史資料や先行研究、およびこれまでに収集・整理した史資料に基づき研究を進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

上記、「研究実績の概要」においても言及したとおり、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が継続するなか、研究計画を立てた当初に予定していた研究調査および研究成果の公表の機会がなお大幅に失われており、調査および成果の公表に大きな遅れが生じている。そのため、研究活動の延長を申請するに至った。
ただし、そのような状況のもと、オンラインを活用した資料調査や研究発表の機会を活かし、一定の研究活動はおこなうことができた。その点を勘案し、現在までの進捗状況としては「やや遅れている」とした。

今後の研究の推進方策

研究活動の延長を申請したため、次年度は本研究課題の最終年度にあたる。そのため、これまでの調査に基づく研究成果の公表を予定している。
ただし、すでに上述したように、新型コロナウイルスの感染拡大にともなう研究活動の大幅な制限の影響を受けて、当初の研究計画のとおりに調査活動および研究成果の公表が進んでいない。そのため、前年度までに実施できなかった調査をおこなうことも考えている。
ただ、この点についても今後の新型コロナウイルスの感染拡大状況に左右されることが予想されるため、引き続き、オンラインを活用した調査活動の実施および研究成果の公表を進めていく。

次年度使用額が生じた理由

本年度は前年度から継続し、世界的な新型コロナウイルスの感染拡大にともなう渡航制限、および日本国内の新型コロナウイルス感染状況にかかる移動制限と各種公共施設の利用制限にともない、本研究計画を立てた当初に想定していた研究調査がほとんど実施できなかった。特に、予定していた海外(台湾)での研究調査をまったくおこなうことができなかったため、次年度使用額が生じた。
次年度は新型コロナウイルスの感染状況を見つつ、研究調査に実施によって当該助成金を使用することを考えている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2022 2021 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] 「芝山巌精神」の形成過程―1920年代後半から1930年代の学校における集団参拝を中心に―2021

    • 著者名/発表者名
      山本和行
    • 雑誌名

      日本台湾学会報

      巻: 23 ページ: 125-141

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 教育学館の活動と植民地教育―日本「内地」と植民地台湾の連関に着目して―2021

    • 著者名/発表者名
      山本和行
    • 雑誌名

      中国文化研究

      巻: 37 ページ: 1-13

  • [学会発表] 植民地統治期における日本人公学校教員の位置ー第一回日本語講習員の経歴に着目してー2022

    • 著者名/発表者名
      山本和行
    • 学会等名
      天理台湾学会第3回台湾研究会
  • [備考] 天理大学|山本和行

    • URL

      https://www.tenri-u.ac.jp/teachers/q3tncs0000000zq9.html

  • [備考] Research Map(山本和行)

    • URL

      https://researchmap.jp/yamakazzy

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公開日: 2022-12-28  

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