研究課題/領域番号 |
19K02556
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
佐藤 由利子 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 准教授 (50323829)
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研究分担者 |
袴田 麻里 静岡大学, 国際連携推進機構, 教授 (20334964)
ライアン 優子 静岡大学, 国際連携推進機構, 准教授 (40615340)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 留学生 / 就職 / 日本企業 / ドイツ / オーストラリア / 高度人材 / 国際移動 / 移民政策 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、留学生受入国の企業の海外展開が、当該国への留学を促すとともに、留学生の卒業後の帰国の促進要因となる、という仮説を立て、日本、ドイツ、オーストラリアの高等教育機関を卒業し、留学国の企業で働く外国人留学生(以下、留学生)の定着/移動の傾向とその影響要因を分析するとともに、キャリア形成、職場への貢献、課題などを比較し、留学生誘致/教育/就職促進政策の長期的効果の解明と、課題の解決に向けての示唆を導くことである。 2021年度は、コロナ禍による日本、ドイツ、オーストラリア、米国の留学生の生活や卒業後の進路選択、就職活動や就職後のキャリアへの影響について、質問紙調査やZoomを用いた聞き取り調査を行うと共に、関連統計や既存の大規模調査結果の分析などを行った。 予定していた海外訪問調査や、オーストラリアからの研究者招へいはできなかったものの、米国の研究協力者とオンラインによる質問紙調査を行うなど、国際共同研究を実施した。また、ハイブリッド方式による研究集会を開催した。 これらの調査結果や得られた知見を活用し、国際学会で3回(うち1回はパネル)、国内の学会で3回の発表を行うとともに、DAADやベトナムのHoa Sen大学、南アフリカのプレトリア大学でオンラインによる招待講演を、中島記念国際交流財団/日本学生支援機構主催の留学生地域交流シンポジウムで基調講演を行った。また、海外のジャーナルに英語の査読付き論文が3本掲載され、国内の学会誌に査読付き論文が1本掲載された。また、単著の書籍1冊、共著の書籍2冊、報告書1冊が出版された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍により、予定していた海外訪問調査や、オーストラリアからの研究者招へいができなかったため、その部分の研究に遅れが出た。 その代わりに、オンラインによる質問紙調査やインタビュー調査を行うと共に、オンラインで実施される海外の学会に積極的に参加し、発表を行い、そこで知り合った米国の研究者を研究協力者に招いて共同で質問紙調査を実施した。また、ハイブリッド方式による研究集会を開催した。 さらに、海外の組織(DAAD、ベトナムのHoa Sen大学、南アフリカのプレトリア大学)からの招待講演を積極的に引き受け、研究ネットワークを拡大した。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍が留学生や元留学生の進路や仕事に与えた影響について、日本及び海外で実施したオンライン調査結果を分析するとともに、日本学生支援機構の私費外国人留学生生活実態調査、外国人留学生進路状況調査、ドイツのNational Educational Panel Study (NEPS)などの既存の調査データや関係統計等と照合することにより、コロナ禍以前とコロナ禍以後の状況を比較する視点を組み入れて、比較研究を実施する。 また、海外の共同研究者の協力を得て、現地調査を実施すると共に、海外及び国内で積極的に研究成果を発表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により、計画していた海外訪問調査と、海外からの研究協力者の招へいが実施できなかったため。
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備考 |
(5) は、科研費を使用しないが、本研究に関連して実施した研究集会の案内
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