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2022 年度 実施状況報告書

保育参加を通した親の「学びの物語」アプローチとルーブリック評価の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K02616
研究機関大分大学

研究代表者

永田 誠  大分大学, 教育学部, 准教授 (50435369)

研究分担者 垂見 直樹  近畿大学九州短期大学, 保育科, 教授 (10581473)
宮嶋 晴子  九州女子短期大学, 子ども健康学科, 教授 (20598122)
鈴木 雄清  大分大学, IRセンター, 准教授 (00333253)
松本 綾 (大村綾)  西九州大学短期大学部, その他部局等, 講師(移行) (60589406)
菅原 航平  別府大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (90768540)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード親の保育参加 / 親の学び / 学びの物語 / 保育の質の向上
研究実績の概要

2022年度も,新型コロナウィルス感染拡大の影響を受ける中であったが,調査対象園の協力等を得て,①保護者懇談会での親の「語り」に関する分析≪担当:永田・菅原≫,②親の保育参加に関する調査と分析≪担当:永田・鈴木・菅原・松本≫,③「困難を抱える家庭」の保育参加分析≪担当:宮嶋・垂見≫の調査研究に取り組んだ。
①保護者懇談会での親の「語り」に関する調査・分析では,Aこども園に就園する乳幼児の親を対象にクラス懇談会における親の「語り」の逐語録を作成した。その親の「語り」から<子育て>過程における親の「学び」の質的分析・考察を行い,成果の一部を日本社会教育学会第69回研究大会にて永田が「保護者懇談会における親の「学び」の質的考察―Aこども園クラス別懇談会での「語り」を事例に―」を報告した。また,前年度まで取り組んだ<子育て>に関する学際的先行研究レビューについて,永田が「<子育て>過程における親の「学び」に向けた基礎的研究―学会誌掲載論文の分析から―」の題目にて大分大学教育学部研究紀要第44巻第1号に投稿した。
②親の保育参加に関する調査と分析では,前年度に引き続きBこども園の0~5歳児の在園児保護者と保育者を対象に,「一日保育士体験」を事例とした親の教育・保育参加に関する調査研究を実施した。現在,3年間にわたる調査データの収集が完了しており,次年度に研究成果の報告を行う予定である。また,上記に関連して,日本生活体験学習学会第24回研究大会において,鈴木他が「幼児期の養育者の養育態度と大学生のマインドセットとの関連」を報告した。
③「困難を抱える家庭」の保育参加分析でも,前年度と同様に,調査趣旨に賛同する協力園に対する調査を,園内研修等で成果を還元するなど園と協働しながら継続することができた。また,その研究成果については,次年度に学会報告・論文投稿を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2022年度も,これまで3年間の新型コロナウィルスの感染拡大による「親の教育・保育参加」に関する調査研究の対象となる取り組み自体が中止・縮小を余儀なくされてきたことから,調査実施等についての遅れや変更が生じているため,「(3) やや遅れている」と判断した。
そのため,研究グループにて協議を行い,研究期間の延長を申請するに至った。2023年度は,研究最終年度となるため,これまでの調査研究の成果報告に注力していきたい。

今後の研究の推進方策

2023年度は,これまで取り組んできた①保護者懇談会での親の「語り」に関する分析,②「親の保育参加」に関する調査と分析,③「困難を抱える家庭」の保育観察調査の3つの調査研究に対する研究成果の報告に注力する。具体的には,昨年度までに成果を報告してきた論考をまとめた研究成果報告書を作成・発行する予定である。
加えて,幼児教育・保育における親の参加については,コロナ禍という未曽有の事態を経たことにより,家庭と園,親と保育者の相互の信頼関係の基盤構築が大きく揺らいでいる現実も看取できた。こうした揺らぎ・危機的な状況であるからこそ,新たな親の教育・保育参加の方法の創出への期待や意義が再評価されている。また,親の孤立化や保育者の疲労感は一層の深刻化していることも見過ごすことができない。
そのため,これまでの研究成果をベースとしつつ,本研究グループでは「これからの親と保育者の良好・共同的な子育て関係を築くか」という視点での新たな研究課題の申請についての議論も開始する予定である。

次年度使用額が生じた理由

2022年度は,①参加した学会の一部が新型コロナウィルスの影響でオンライン開催であったこと,②当初,園を訪問し,観察・インタビュー調査を実施する予定であったが,質問紙によるペーパーインタビューの形式に変更したことなどにより,当初計上していた旅費等に残額が生じた。一方で,データ入力の補助として,年間を通じて従事できる者が雇用ができたことから,これまで遅れていたデータの入力・整理は大きく進展し,完了した。
加えて,次年度使用額が生じた予算については,学会報告のための旅費等と研究成果報告書の発行分のみとなっており,適切に執行できる予定である。

備考

垂見直樹「子どもたち一人ひとりにとっての「円滑な接続」のために」福岡県教育庁福岡県幼稚園教育課程研究協議会(園長等運営管理協議会)助言・指導,2022年8月5日
大村綾「子どもの発達と保育」令和4年度佐賀県幼児教育・保育初任者研修講師,2022年7月11日、7月25日

  • 研究成果

    (14件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 雑誌論文 (7件) (うちオープンアクセス 5件) 学会発表 (5件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 領域「人間関係」の視点から考える保育カリキュラム : 「集団」での「生活」の視点から教育課程の見直しを考える2023

    • 著者名/発表者名
      菅原 航平
    • 雑誌名

      センターレポート

      巻: 42 ページ: 9~16

    • DOI

      10.32289/cr04203

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 保育現場と協働した実践研究 : 令和4年度大分県保育事業研究大会分科会報告2023

    • 著者名/発表者名
      渡邉 はるか、菅原 航平、伊藤 京子、大関 美鈴、斎藤 範子、助安 明美、田中 美貴、東保 美香
    • 雑誌名

      センターレポート

      巻: 42 ページ: 17~22

    • DOI

      10.32289/cr04204

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 放課後児童クラブにおける障害児支援や職員研修の現状 : SACERSの特別支援に関する尺度と育成支援の質の関連2023

    • 著者名/発表者名
      菅原 航平
    • 雑誌名

      別府大学短期大学部紀要

      巻: 42 ページ: 135~141

    • DOI

      10.32289/tk04212

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 公民館における子育て期の親の学びとその支援について① ―家から一歩を踏み出し子育て主体として成長することを支える講座づくり―2023

    • 著者名/発表者名
      宮嶋晴子
    • 雑誌名

      九州女子大学紀要

      巻: 第59巻2号 ページ: 115~123

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] <子育て>過程における親の「学び」に向けた基礎的研究 : 学会誌掲載論文の分析から2022

    • 著者名/発表者名
      永田 誠
    • 雑誌名

      大分大学教育学部研究紀要

      巻: 44 ページ: 81~96

    • DOI

      10.51073/17057

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 放課後児童クラブにおけるOJTの状況と育成支援の質の関連2022

    • 著者名/発表者名
      菅原航平
    • 雑誌名

      学童保育研究

      巻: 12 ページ: 51~55

  • [雑誌論文] 「保幼小連携」の現状と課題―「うまくいく」には何が必要か?2022

    • 著者名/発表者名
      垂見直樹
    • 雑誌名

      体育科教育

      巻: 2022年12月号 ページ: 12~15

  • [学会発表] 保護者懇談会における親の「学び」の質的考察―Aこども園クラス別懇談会での「語り」を事例に―2022

    • 著者名/発表者名
      永田誠
    • 学会等名
      日本社会教育学会第69回研究大会自由研究発表(北海道大学/オンライン)
  • [学会発表] 幼児期の養育者の養育態度と大学生のマインドセットとの関連2022

    • 著者名/発表者名
      鈴木雄清・永田誠・菅原航平
    • 学会等名
      日本生活体験学習学会第24回研究大会自由研究発表(口頭発表・熊本県立大学)
  • [学会発表] 幼児期の子どもの生活習慣と健康に関する研究2022

    • 著者名/発表者名
      堀田亮,垂見直樹,高木義栄,橋本翼,上田浩平,原口喜充
    • 学会等名
      日本保育学会第75回大会(ポスター発表・オンライン)
  • [学会発表] 幼児の生活体験活動とその姿をとらえる保育者の視点について―飯塚市庄内生活体験学校の事業参加アンケートの分析より―2022

    • 著者名/発表者名
      宮嶋晴子・正平辰男
    • 学会等名
      日本保育学会第75回大会(口頭発表・オンライン)
  • [学会発表] 保育者を対象とした生活体験プログラムについて②-保育者体験講座の参加者の感想の分析を中心に-2022

    • 著者名/発表者名
      宮嶋晴子・桑原広治・末嵜雅美・正平辰男・原和也
    • 学会等名
      日本生活体験学習学会第24 回研究大会自由研究発表(口頭発表・熊本県立大学)
  • [図書] 子ども家庭支援論ー保育を基礎とした子ども家庭支援ー2022

    • 著者名/発表者名
      太田光洋
    • 総ページ数
      224
    • 出版者
      同文書院
    • ISBN
      978-4-8103-1510-3
  • [備考] 子どもと親の学びを生み出す発達資産としての生活体験を育む「地域家庭教育支援」

    • URL

      http://www2.ed.oita-u.ac.jp/nagata/

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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