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2023 年度 実績報告書

小学生の言語的課題の解決に向けた日本語学・心理学の連携的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K02789
研究機関神戸市外国語大学

研究代表者

岩男 考哲  神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (30578274)

研究分担者 宮地 弘一郎  信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (40350813)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード語彙 / 教材分析 / 児童の言語的課題
研究実績の概要

最終年度は,教科書内に現れるオノマトペの頻度と学年の上昇との相関関係についてのまとめ,ならびに,その調査結果の報告を行った。既にこれまでの調査結果により,学年が低年齢化すればするほど,現場依存的な語が頻出することを明らかにしている。そこで今年度は,オノマトペに対象を絞り,その出現傾向を調査した。なお,オノマトペも低学年ほど頻繁に出現する可能性は前年度の調査結果により示唆されていた。つまり,今年度の調査は前年度に示唆した可能性の確認作業という側面もあったと言える。
ここで明らかになったのは,単にオノマトペの使用頻度が減るという数量的な点だけではない。学年の変化により,そのオノマトペの質においても変化が見られた。具体的には,低学年の教材に見られるオノマトペには,いわゆる「一般的」とは言えないものが多数見られたのである。例えば「のっこり」「ガワガワ」等がそうである。これは「わんわん」「しくしく」等,「一般的」なオノマトペに比べ,状況的な支えが無ければその意味するところが分からない。
本研究期間全体の成果と今年度の成果を踏まえると,国語科の描くコミュニケーション像とは,学年が高まる毎に脱文脈的なものへと変化していることを示していると言える。この点については,他の観点からの調査を続けることでより明確にすることが期待される。
理想を言えば,上記の教材調査の結果に基づいて,児童の会話(対話)場面を調査し,教材の調査結果と照らし合わせることが出来れば良かったのだが,今期間は新型コロナウイルスの蔓延により,子供たちの対話場面の調査が不可能となったのが痛手であった。よって,本研究の目的の1つであった「言語環境の実像を描き出す」点はかなわなかった。しかしその反面,教材の調査により注力出来たことは不幸中の幸いであったと言えるだろう。このことにより,日本語学の知見と心理学の学際的な研究は行えたと言える。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 特別支援学校教員養成における教科の「見方・考え方」の指導力向上 -知的障害教育を中心に-2024

    • 著者名/発表者名
      宮地 弘一郎・下山 真衣・奥村 真衣子・戸谷 健史・楠見 友輔・植原 俊晴・小倉 光明・小林 比出代・昆 万佑子・篠﨑 正典・竹下 欣宏・西 一夫・橋本 政晴・村松 浩幸・山岸 明浩・上野 大
    • 雑誌名

      信州大学教育学部研究論集

      巻: 18 ページ: 296-308

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 「小学校教科書における出現品詞と子どもの発達 ―子どもの多様性に応えるために―」2023

    • 著者名/発表者名
      岩男考哲,宮地弘一郎
    • 雑誌名

      中國文化大學日本語文學系國際學術研討會 ―SDGs の目標からみた日本語教育と日本研究のダイバーシティ―

      巻: 2023 ページ: 132-139

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] 小学校教科書における出現品詞と子どもの発達―子どもの多様性に応えるために―2023

    • 著者名/発表者名
      岩男考哲,宮地弘一郎
    • 学会等名
      中國文化大學日本語文學系國際學術研討會
    • 国際学会

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公開日: 2024-12-25  

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