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2019 年度 実施状況報告書

同僚制原理に基づく大学教育の質保証とアカデミック・リーダー育成に関する比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K02856
研究機関東北大学

研究代表者

杉本 和弘  東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 教授 (30397921)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードアカデミック・ガバナンス / 政府統制 / 同僚制 / アカデミック・ボード
研究実績の概要

第1年度にあたる2019年度は、近年各国・地域で展開されてきた「大学ガバナンス」の改革に関する先行研究、特に大学ガバナンス全般及び教育研究に係るアカデミック・ガバナンスに関する国際比較研究を中心とした先行研究の収集とその分析を進めた。
そのうち、アカデミック・ガバナンスに影響を及ぼし、変容を促してきた「政府統制」の強化や影響を考察することを目的に、ケーススタディとして、豪州の大学における政府統制とアカデミック・ガバナンスの関係性の歴史的変化を課題に設定して研究を推進した。豪州においては、ここ30 年の間に連邦政府による関与を通して次第に強化されるなか、とりわけ高等教育質基準機構(TEQSA)によって2010年代に「高等教育基準」に基づく質統制体制が導入・確立され、質保証政策・体制が新たなフェーズに入った。かかる質保証政策の転換に着目し、その中で機関としての大学が質保証に対する自律性をどう担保し得るかについて考察を行った。具体的には、豪州高等教育における連邦政府による政府統制の変容を歴史的に整理した上で、質保証政策の変容を背景に、豪州大学内部における質保証に対するアカデミック・ガバナンスの置かれた状況、とりわけ企業的経営モデルに基づく大学運営が強まる中で、合議によって意思決定を図る「同僚制(collegiality)」に基づくアカデミック・ガバナンスに変容や縮減が生じていることを考察した。その上で、アカデミック・ガバナンスを担う中核的機関としてのアカデミック・ボードが、大学管理組織によっては代替不可能な役割を果たすことやそれを担い得る資質・能力を有する大学人の育成の必要性に言及した。
本成果は、日本教育社会学会第71回大会(2019年9月)等において発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究課題を推進するための基盤となる文献収集を進めるとともに、その一部を用いて学会発表や講演を行うことができた。ただし、年度末の新型コロナ感染拡大を受け、予定していた海外調査が実施することは叶わなかった。

今後の研究の推進方策

海外調査を基盤とした研究を行うことを計画しているが、新型コロナ感染拡大状況を見極めながら行わざるを得ないため、第1年度に収集した文献に基づく研究を着実に推進することを目標とする。

次年度使用額が生じた理由

年度末に計画していた豪州調査について、新型コロナウイルス感染拡大の状況に鑑み、中止にしたため。繰り越し分については、翌年度分の助成金と合わせ、海外調査に活用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020 2019

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] アカデミック・ガバナンスの日英豪比較2020

    • 著者名/発表者名
      杉本和弘
    • 学会等名
      名古屋大学高等教育研究センター客員教授セミナー
    • 招待講演
  • [学会発表] 豪州高等教育における政府統制とアカデミック・ガバナンスの課題2019

    • 著者名/発表者名
      杉本和弘
    • 学会等名
      日本教育社会学会第71回大会

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公開日: 2021-01-27  

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