研究課題/領域番号 |
19K02856
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
杉本 和弘 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 教授 (30397921)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | アカデミック・ガバナンス / 政府統制 / 同僚制 / アカデミック・ボード |
研究実績の概要 |
第4年度である2022年度は、特に後半に入って海外調査が実施できる状況になったものの、当方と先方の都合や受け入れ態勢が十分に整わず、これまでの文献およびネット情報に基づく作業を継続して実施した。特に、アカデミック・ガバナンスに影響を及ぼし、変容を促してきた背景を考察するため、豪州における高等教育政策の動向、とりわけ大学ガバナンス改革の歴史的経緯やそこで議論されてきた論点を整理することを目的に研究を遂行し、その成果の一部は、日本高等教育学会第25回大会(2022.5.28開催)において「豪州における大学ガバナンス改革の歴史的経緯と論点整理」と題して口頭発表を行った。同発表を通して、①豪州の高等教育は、1980年代後半のドーキンズ改革を契機に30年間でマス化、国際化、市場化が進行し、高等教育システムの準市場化としての「現代化」が進んだこと、②1990年代以降、システム・レベルでの政策形成のあり方(連邦政府と大学の関係性)が変化する中で、機関ガバナンスの改革が推進され、機関ガバナンスの規模縮小と効率性向上が推進されたこと、③大学の機関ガバナンスをめぐっては、責任組織の規模・構成・人材育成、経営主義の拡大とその影響、アカデミック・ガバナンスの機能低下に関する議論が展開されたものの、近年は急速な環境変化(コロナ禍を含む)が生じる中で高等教育ガバナンスの困難性が目立つようになっていることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度も種々の事情で現地調査の実施に至らなかったことから、これまで文献調査で明らかになっているアカデミック・ガバナンスの現状と課題を、ケーススタディによって裏付ける作業ができていない。再延長した最終年度(2023年度)には実施可能であると判断しているので、これまでの遅れを取り返すべく、インタビュー調査等の実施を進める予定である。
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今後の研究の推進方策 |
再延長の結果、最終年度となる2023年度も引き続き、本科研による研究を継続する予定であるが、「豪州における大学ガバナンス改革の歴史的経緯と論点整理」に係る論稿を完成させるとともに、現地調査を遂行して複数の大学におけるアカデミック・ガバナンスに関する関係者インタビューを行い、成果につなげる。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症が収束しつつあったものの、これまでの研究進捗状況が芳しくないため、研究期間を再延長し、5年目を実施する。所期の計画に基づく成果を上げるべく海外調査に伴う旅費等に執行する。
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