研究課題/領域番号 |
19K02874
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
橋本 智也 大阪市立大学, 大学教育研究センター, 講師 (40802327)
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研究分担者 |
白石 哲也 山形大学, 学士課程基盤教育機構, 准教授 (60825321)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | IR / Institutional Research / 執行部の期待 / IR担当者の専門性 / 訪問調査 / 大学の規模 / 設置形態(国立大学/公立大学/私立大学) |
研究実績の概要 |
聞き取り調査: 1年目の研究実施計画では、国内の大学を訪問調査し、2年目に実施予定のアンケート調査で問うべき内容を探索的に検討するとしていた。しかし、新型コロナウイルス感染症の感染状況の影響で、1年目に予定していた訪問調査を全て実施することができなかった。そのため、2年目に追加調査を行うとともに、アンケート調査は3年目に実施することとした。2年目の追加調査に関して、訪問調査が難しいため、Web会議システムまたはメールを用いて、オンラインで調査を実施した(公立大学4校;小規模1校、中規模2校、大規模1校)。調査対象者に関して、1年目と同様、原則としてIR担当者だけでなく、大学執行部、もしくは大学執行部の期待について回答できる役職者を対象に調査を行った 。聞き取り内容は、1年目と基本的には同じとしたが、2年目は、「IR組織への期待に対する新型コロナウイルス感染症拡大の影響」についての設問を加えた。 2年目の追加調査の結果は、1年目に行った類型化(6類型)の範囲に収まるものであり,公立大学特有の明確な特徴は見られなかった。また、追加した設問「IR組織への期待に対する新型コロナウイルス感染症拡大の影響」については、オンライン教育が広く普及した状況における新たな学修成果の評価の支援等を期待する様子が見られた。このように、大学の文脈とIRの専門性の関係について、3年目に実施予定のアンケート調査で問うべき内容を探索的に検討し、今後のさらなる検証のための知見を得ることができた。 米国への訪問調査: 当初の計画では、アンケート調査の結果を踏まえて、米国の大学を訪問調査し、日米比較や、日本に応用可能な知見の検討を行うとしていた。しかし、アンケート調査の結果が出ておらず、海外での調査が難しいこともあり、米国への訪問調査は実施できなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、国内外の訪問調査が難しくなり、当初の計画からは遅れているため。ただし、延期していた国内調査に関しては追加実施を行い、3年目に実施予定のアンケート調査で問うべき内容を探索的に検討し、今後のさらなる検証のための知見を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究実施計画では、IRの専門職化が進む米国を訪問調査し、国内調査で見出した促進・阻害要因を日米比較し、専門性の活用に関して日本に応用可能な知見を見出すこととしていた。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大の状況を受けて、大幅な見直しが必要と考えられる。国内の大学を対象にしたアンケート調査については、各大学の状況を踏まえながら、3年目での実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の計画では、国内のアンケート調査の結果を踏まえて、米国の大学を訪問調査し、日米比較や、日本に応用可能な知見の検討を行うとしていた。しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大状況により国内の訪問調査が延期となった影響で、アンケート調査の結果が出ておらず、また、海外での調査が難しいこともあり、米国への訪問調査は実施できていない。国内の訪問調査については、Web会議システムまたはメールによるオンラインでの調査を実施した。そのため、国内外の訪問調査のための旅費の執行が発生せず、当該助成金が生じている。今後の計画については、感染状況等の動向を見ながら慎重に検討を行う。
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