研究課題/領域番号 |
19K02893
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研究機関 | 高知工科大学 |
研究代表者 |
福石 賢一 高知工科大学, 共通教育教室, 教授 (60294485)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 汎用的能力 / 専門知 / 工学 / ケンブリッジ大学 / 歴史 / カリキュラム / 進路 / イギリス |
研究実績の概要 |
本研究課題3年目となる本年度は主に以下の3点に関して調査研究を行った。 第一に、昨年度学会にて発表を行った『英国人名事典』(Oxford Dictionary of National Biography)に掲載された人物のうち二十世紀前半にケンブリッジ大学で工学を学んだ者についての分析結果を『大学史研究』誌において論文として公表した。 第二に、昨年度に実施した上記調査研究結果を踏まえ、『英国人名辞典』に「技術者」として掲載された1871年から1920年生まれの者たちの大学教育歴の時系列的変化について確認・考察した。その結果、以下の諸点が明らかになった。第一に、彼らのうち大学で学んだ者の割合は1880年頃までに生まれた世代では60%程度であったのに対し1891-1918年の間に生まれた世代では70~80%程度とおよそ15ポイントの上昇が見られた。第二に、彼らが学んだ大学の機関別の割合を見ると、1870年頃に生まれた世代ではケンブリッジ大学出身者は皆無であったものが、1880-1890年頃生まれの世代では25~30%となり、1901~1918年生まれの世代では概ね半数弱を占めるに至っていた。さらにそのうちの多くは同大学で数学や自然科学ではなく工学を専攻した者であった。なお、これらに加えて大学の利用のされ方について、親も技術者である者の割合や伝記記事に記載された個々の人物の技術者の世界に進んだ経緯から考察を試みたが、この点に関しては現時点では一般化するには至っておらず、継続して作業を進めていく予定である。以上の内容については学会にて発表を行った。 第三に、ケンブリッジ大学における工学教育の方針や特徴の調査研究に関連して、同大学工学教授の著作物や同大学の工学教育に関係する新聞記事、その他関連の書籍・論文等の二次的資料について調査・収集し内容の整理を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
昨年度に引き続き新型コロナウィルス感染状況の改善が見られないなか、本研究における主たる手続きであるイギリスにおける一次史資料及び二次資料の蒐集及びその内容の整理・分析が進められず、また国内調査についても活動が制限されたため、当初の計画通りに研究を進めることができていない。
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今後の研究の推進方策 |
ケンブリッジ大学工学優等学位コースの教育の方針や特徴についての調査研究を進めていく予定。当面は手元資料、ILL等により入手可能な資料、インターネット経由で利用可能な資料・情報を用いて調査研究を進めつつ、新型コロナウィルスの感染状況を見極めながら国内調査並びに海外調査を実施していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外史資料調査及び国内資料調査を予定していたが、新型コロナウィルスの感染状況の改善が見られないことにより実施困難となったため。新型コロナウィルスの状況を見極めながら国内調査並びに海外調査を実施していきたい。
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