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2022 年度 実施状況報告書

職業専門学科等の教育における汎用的能力の意義:ケンブリッジ大学の事例から

研究課題

研究課題/領域番号 19K02893
研究機関高知工科大学

研究代表者

福石 賢一  高知工科大学, 共通教育教室, 教授 (60294485)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード汎用的能力 / 専門知 / 工学 / ケンブリッジ大学 / 歴史 / カリキュラム / 進路 / イギリス
研究実績の概要

本研究課題4年目となる本年度は主に以下の三点に関して調査研究を行った。
第一に、昨年度学会にて発表を行った『英国人名辞典』(Oxford Dictionary of National Biography)に「技術者」として掲載された1871年から1920年生まれの者たちの社会的出自や大学教育歴の時系列的変化について分析を行った結果を『高知工科大学紀要』において論文として公表した。
第二に、ケンブリッジ大学における工学教育の方針や特徴の調査研究に関する研究を行い、研究会で発表を行った。具体的には、1891年に同大学機械・応用力学教授に就任し、1892年の同大学工学(機械科学)優等学位コース創設に貢献し、以後1903年まで同職にあって同大学の工学教育に尽力したJ・A・ユーイング(Ewing)における「大学(とりわけケンブリッジ大学)における技術者養成」の意義やあるべき姿についての考えを、同教授の就任講義("The University Training of Engineers")に依りながら考察・整理した。その結果、同大学の工学(機械科学)は技術者養成に関わるものでありつつ同大学で教育研究されるに相応しい学問であるべきこと、大学における技術者養成は徒弟修業と組み合わされて初めて完結することなど、彼の同大学における工学教育に関する思想の一端が明らかになった。
第三に、同大学における工学教育の方針や特徴の調査研究に関連して、ユーイング以降の同大学工学教授の著作物や同大学の工学教育に関係する新聞記事やその他関連の書籍・論文等の二次的資料について調査・収集し内容の整理を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

昨年度に引き続き新型コロナウィルス感染状況の改善が見られないなか、本研究における主たる手続きであるイギリスにおける一次史資料及び二次資料の蒐集及びその内容の整理・分析が進められず、また国内調査についても活動が制限されたため、当初の計画通りに研究を進めることができていない。

今後の研究の推進方策

まずケンブリッジ大学工学優等学位コースの教育の方針や特徴に関する調査研究を進めていく。当面は手元資料、ILL等により入手可能な資料、インターネット経由で利用可能な資料・情報を用いて調査研究を進めつつ、新型コロナウィルスの感染状況を見極めながら国内調査並びに海外調査を実施していく。同時に、本年度が本研究課題の最終年度に当たるため、これまでの研究の整理を行うとともに、日本の現在の状況・議論と比較しつつ、職業専門学科等の教育における汎用的能力の意義について考察し、報告書をまとめる。

次年度使用額が生じた理由

海外史資料調査及び国内資料調査を予定していたが、新型コロナウィルスの感染状況の改善が見られないことにより実施困難となったため。新型コロナウィルスの状況を見極めながら国内調査並びに海外調査を実施していきたい。また学会発表を予定している。年度末には報告書の作成を行う。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 『英国人名事典』に見る技術者の学歴変化 ~ 1870~1920 年生まれの世代における大学教育に着目して~2023

    • 著者名/発表者名
      福石 賢一
    • 雑誌名

      高知工科大学紀要

      巻: 19 ページ: 55~65

    • DOI

      10.32149/00002513

    • オープンアクセス
  • [学会発表] ケンブリッジ大学工学教授ユーイングの技術者養成観2022

    • 著者名/発表者名
      福石賢一
    • 学会等名
      第45回大学史研究セミナー

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公開日: 2023-12-25  

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