研究課題/領域番号 |
19K02893
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研究機関 | 高知工科大学 |
研究代表者 |
福石 賢一 高知工科大学, 共通教育教室, 教授 (60294485)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 汎用的能力 / 専門知 / 工学 / ケンブリッジ大学 / 歴史 / カリキュラム / 進路 / イギリス |
研究実績の概要 |
本研究課題5年目となる本年度は主に以下の二点に関して調査研究を行った。 第一に、当初から計画していたもののコロナ禍により繰り返しの延期を余儀なくされていたケンブリッジ大学アーカイブズにおける調査を実施した。同アーカイブズでは二十世紀前半のケンブリッジ大学における工学教育の方針や特徴、教育課程、制度、教員や学生・卒業生、施設・設備等に関する資史料の調査・蒐集を行った。またロンドンの大英図書館にて同大学卒業生に関する資料の調査・蒐集を行った。 第二に、ケンブリッジ大学における工学教育の方針や特徴に関する調査・研究を行い、前年度に続き研究会にて発表を行った。具体的には、前年度の発表で対象とした同大学機械・応用力学教授J・A・ユーイングの元に学び、1919年に同教授職に就任し1940年までその職にあったC・E・イングリスの教育方針について、1931年の機械技術者協会での講演録及び1941年の土木技術者協会会長就任講演録を主たる資料として分析を行い、あわせてそれとユーイングの教育方針との異同について考察した。その結果、例えば、イングリスはユーイングと同様にケンブリッジ大学における技術者養成は徒弟修業と組み合わされて初めて完結すると考えていた一方で、ケンブリッジ大学から長年に渡って工学を専攻した卒業生が輩出されていく中で企業内における同大学卒業生の扱い方が次第に問題となってきており、同大学卒業生の能力を最大限活かすための企業内における彼らの取扱い方について土木技術者協会会員に対して意見を表明していたこと等を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウィルス感染の広がりの影響により、本研究における主たる手続きであるイギリスにおける一次史資料及び二次資料の蒐集及びその内容の整理・分析が進められず、また国内調査についても活動が制限されていたため、当初の計画通りに研究を進めることができてこなかった。本年度、ようやくイギリスにおける資料調査・蒐集を行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
ケンブリッジ大学アーカイブズをはじめとするイギリスの各図書館・文書館及び国内において引き続きケンブリッジ大学工学教育の方針や特徴、教育課程、制度、教員や学生・卒業生、施設・設備等に関する資史料の調査・蒐集を行う。また昨年発表した研究成果を学術誌に投稿するとともに、今年度の研究成果を学会ないし研究会で発表する。さらに、本年度が本研究課題の最終年度に当たるため、これまでの研究の整理を行うとともに、日本の現在の状況・議論と比較しつつ、職業専門学科等の教育における汎用的能力の意義について考察し、報告書をまとめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
前々年度まで新型コロナウィルスの感染状況の改善が見られないことにより、予定していた海外史資料調査及び国内資料調査が実施困難となったていた。今年度ようやく国内調査並びに海外調査がかなりの程度まで実施可能な状況となったため可能な限り実施したが、未実施の調査が残った。本年度は未実施の調査を行い、研究成果を学会で発表する。その上で、これまでの研究と合わせて整理を行い、年度末までに報告書の作成を行う。
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