研究課題/領域番号 |
19K02954
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
三浦 優生 愛媛大学, 教育・学生支援機構, 准教授 (40612320)
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研究分担者 |
江上 園子 白梅学園大学, 子ども学部, 准教授 (10451452)
久津木 文 神戸松蔭女子学院大学, 人間科学部, 教授 (90581231)
冨田 享子 (神井享子) 愛媛大学, 教育学部, 講師 (70908920)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 自閉スペクトラム症 / 実験語用論 / 間接発話 |
研究実績の概要 |
本年度は、昨年度に引き続き、新型コロナウイルス感染症の蔓延防止の為、対面によるデータ収集を実施することが難しい状況であった。よって、オンライン会議システムMicrosoft Teamsを用いて、遠隔形式にて調査を実施した。対面による調査ができないこと、そして、例年と同様の参加人数が確保できなかったことから、新たな課題は実施せず、過年度に実施したが、十分なサンプル数が担保されていなかった課題を実施することとし、これにより、あらたに人数を追加することができ、年齢群による違いや群内の性差を分析することが可能となった。 課題では、小学生のASD児、定型発達児を対象に、音声付きスライドを用いた間接発話の解釈課題を行った。間接発話の解釈の手がかりとして、一般的な知識、文脈固有の情報、発話のプロソディが与えられた。課題に加えて、非言語推論能力を測る検査(RCPM)およびアニメーション版心の理論課題を実施した。保護者には、自閉性の重度やコミュニケーションスキルについて尋ねる質問紙(SCQ, CCC-2)への記入を依頼した。調査の結果、間接肯定、間接否定の理解について、群間で苦手さの傾向が異なること、さらにASD群においてのみ、課題の成績と関連する変数が明らかになった。これらの結果は国内外の学会にて報告された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度に引き続き、新型コロナウイルス感染症蔓延の為、対面によるデータ収集が叶わなかったため、計画時に想定していた行動実験を行う事は不可能であった。オンライン調査により過年度の調査のサンプル数を補強することができた。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は感染防止対策を徹底した上で、対面調査を再開する。新たな語用解釈課題を作成し、学齢期のASD児・定型発達児に実施し、語彙発達や非言語推論能力を計測する検査や、保護者への質問紙から得られる自閉性の重度、コミュニケーションスキルとの関連を分析する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症予防のため、対面調査を中止し、すべての調査をオンラインで行ったことや、国内外の学会発表も遠隔で行ったこと、これにより出張や対面調査に必要な物品費が生じなかったことなどから、次年度使用額が生じた。
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