研究課題
令和3年度は,コンパイラとの対話機能の発展に取り組んだ.Linux Containers (LXC)に各種コンパイラを導入することで,C言語のみならず他のプログラミング言語にも対応可能となった.また,プロセス数やメモリなどのリソース制限を設定し,悪意のある実行や高負荷な処理を検知できるようにした.令和3年度では加えて,コンパイラとの対話機能の有用性を明らかにするため,SIEM理論を参考にしたフィードバック方式を提案した.本研究の実験では,実行結果とSIEM理論に基づいたフィードバックを受ける群,実行結果だけを得る統制群の2群に被験者を10名ずつ分けて比較実験を行った.学習する前の理解度を測定し,2群の学力水準が均等になるように分けた.その後,30分間の学習実験を行った.学習実験で使用した問題は両群ともに同じ内容の問題を3問出題し,ダミーカードの量も同一量とした.その後,事後試験を行い,事前試験と事後試験で成績に差があるかどうかを確認した.全ての試験終了後,被験者からアンケート結果を得た.アンケートは先行研究で使用されたアンケート内容を利用し,6段階のリッカード尺度で評価した.実験の結果,事後試験の平均で実験群は3.52点,統制群は3.41点であった.この結果では統計的に有意な差は得られなかったが,アンケート結果は「動作確認を見るのは楽しいか?」といった項目で実験群の方がt検定(両側)で有意(p<.05)に高かった.この結果から,フィードバックで学習効果の低下などは見られなかった.そのため,提案法は学習方式として有用であると結論付けた.また,高い主観評価が得られていたことから,提案法は学習意欲を促進でき,学習の持続が期待できると結論付けた.
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件)
Information Engineering Express
巻: Vol. 8 No. 1 ページ: 1-10
10.52731/iee.v8.i1.527
巻: Vol. 8 No. 1 ページ: 1-12
10.52731/iee.v8.i1.622