研究課題/領域番号 |
19K03029
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
木原 俊行 大阪教育大学, 連合教職実践研究科, 教授 (40231287)
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研究分担者 |
小柳 和喜雄 奈良教育大学, 教職開発講座, 教授 (00225591)
野中 陽一 横浜国立大学, 大学院教育学研究科, 教授 (10243362)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 教職大学院 / 教師教育者 / 実務家教員 / 教育実践研究 / プログラム開発 |
研究実績の概要 |
教職大学院の「実務家教員」が「教師教育者」として教育実践研究を企画・運営し,それを論文化等により発表する能力を有することの必要性は明らかである。そこで,本研究では,「教職大学院の実務家教員が教育実践研究を推進する能力を高めるためのプログラムの開発」を目的に据えた。 研究初年度の令和元年度は,まず,教師教育者に関する文献研究を実施し,その教育実践研究の特徴を抽出した。そのために,研究代表者と分担者で文献購読を重ねた。 また,プログラム開発の基礎となる知見を得るために,「実務家教員」の教育実践研究の推進に関する実態を把握する活動(量的調査と質的調査)に従事した。まず前者については,日本のすべての教職大学院(54大学)を対象にして,実務家教員の授業改善や大学院生の指導等に関する質問紙調査を実施した。それは,「問題の同定」「解決のためのプランの策定」「解決のためのアクションの遂行」「アクションの評価と研究的展開」を調査内容の主柱とするものである。それらのカテゴリーに属する活動を自身が行っているか,それを大学院生に指導しているかの両面を実務家教員たちにたずねた。30大学の162名から回答を得て,現在,その全体的傾向を把握している。 また,後者については,国内調査と外国調査を実施した。国内調査については,実務家教員が教育実践研究論文を執筆・公開しているK教職大学院を訪問し,その取り組みの工夫点等をヒアリングした(その知見を質問紙調査の構成に活かした)。国外調査については,教師教育者に関する理論と実践で世界の教師教育をリードするオランダのアムステルダム自由大学のLunenberg教授に面談し,その新展開等を把握した。ここで得た知見は,前記した質問紙調査の分析に活用する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「令和元年度科学研究費助成事業交付申請書」に記した,予定した研究活動を概ね遂行できたため。
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今後の研究の推進方策 |
コロナウィルス感染状況の拡大により,研究計画の変更を余儀なくされている。具体的には,出張を伴う研究代表者・分担者間の研究打ち合わせやプログラムの実施が難しくなっている。前者については,テレビ会議システムの利用により代替する。後者については,コロナウィルス感染状況をモニターしながら,今年度については可能な範囲で実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和元年度後半(令和2年1~3月),コロナウィルス感染状況が深刻になり,予定していた研究打ち合わせや調査の一部が実施できなくなったため,次年度使用額が発生した。次年度,当初予定では補助的なツールとしてその活用を考えていた,オンラインによる打ち合わせや調査をいっそう重視し,そのための環境整備や謝金等に予算を費やす予定である。
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