研究実績の概要 |
本研究の目的は、母親・父親の抑うつ、アタッチメント・スタイル、夫婦関係、養育行動、子どもの行動等を、妊娠期から10歳まで縦断的に検討することであった。これまで10歳までの夫婦ペアのデータ収集を終えて、その整理や分析を行ってきた。加えて、4歳児、11歳児に父母子の関係性を観察する実験を行った。また、養育行動や子どもの行動の評定を行うために、複数の研究協力者が、安定したアタッチメントと関係のあるEmotional Availability(Biringen & Easterbrooks, 2012)の幼児版、思春期版、養育者の非定型の養育行動を測定するAMBIANCE-Brief(Madigan, Bronfman, & Lyons-Ruth, 2018)を習得し、信頼性を獲得して準備をしてきた。また、Coping with Children's Negative Emotion Scale(Eisenberg, Fabes, & Murphy, 1996)やCoping with Toddler's Negative Emotion Scale(Spinrad, Eisenberg, Kupfer, Gaertner, & Michalik, 2004)等の尺度を日本語訳して、日本での測定に使用できるよう準備してきた。 本年度は、11歳の父母子の観察をオンラインで行った。実験の方法を構築し、オンラインによる観察を行い、データ分析する準備を整えた。また、小学校への移行期における父親・母親の抑うつ、養育行動、子どもの行動との関連を共分散構造分析でモデルを作成し検討した。その結果を第31回International Congress of Psychologyにオンラインで参加、発表し、他研究者との意見交換を行った。
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