研究課題
基盤研究(C)
本研究は,心の理論の基盤となる実行機能の発達を縦断的にとらえた。実行機能の初期発達をとらえるために,新しい測定方法を開発した。このアイトラッキングを用いた視線コントロールする力の測定値は,1年後後の実行機能能力を介在して心の理論を予測することが明らかになった。心の理論の社会実装として他者に配慮した会話能力の発達を集団保育場面で測定した。保育士の報告による他者に配慮した会話能力は,集団保育入園時点と初年時の実行機能によって予測されることが明らかとなった。
心理学
注意コントロールする能力が,これまでの実行機能の発達と関連することが,明らかとなり,より年少の子どもの実行機能の発達を検討する可能性が得られた。実行機能の発達は,これまでも心の理論の発達を予測することが報告されていたが,心の理論をいかに社会で活用するかという視点での会話スキルにも関連していることが明らかとなり,社会性を高めるための実行機能の役割とその重要性にスポットライトを当てることができた。