研究課題/領域番号 |
19K03318
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
春日 由美 山口大学, 教育学部, 准教授 (80525585)
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研究分担者 |
川崎 徳子 山口大学, 教育学部, 准教授 (00555708)
田中 理絵 西南学院大学, 人間科学部, 教授 (80335778)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 虐待傾向 / 育児期女性 |
研究実績の概要 |
本研究は育児期女性の虐待傾向について、どのような要因が重なると虐待傾向に陥りやすいのかについてインタビュー調査を行い、個々の女性を取り巻く環境を含めて、個別的に検討することである。2020年度の研究計画は、インタビュー調査の実施であった。2019年度に研究協力者は順調に集まり、年度当初からインタビューが実施できる計画であった。しかし新型コロナウイルス感染症拡大を受け、2019年度末から調査を一旦中止せざるを得なくなった。また2020年度前半は、インタビューの場所である学外者の大学内立ち入り禁止等もあり、しばらく調査を再開することができなかった。その間、調査再開に向けて、インタビューを行うための設備を準備した。その後、8月から調査を再開し、13名の研究協力者に、1回2時間程度、各人2~4回のインタビュー調査を実施することができた。 インタビューでは、13名の女性は様々な背景を持ちながら育児を行っており、不適切な養育を行っていると感じながら育児を行っている女性もいれば、子どもを叱るがそれに対して特に問題を感じない女性など様々であった。またインタビュー内容から、育児感情や育児行動には、その女性の性格、子どもの気質、現在や過去の周囲の人との関係、現在の環境などが複雑に絡んでいることが再確認できた。 インタビューで得られた一人ひとりの情報はかなり膨大なものになるが、本研究の目的が個々の女性の生きている環境を踏まえてエスノグラフィー的に検討することであり、調査人数は若干少なくなったが、2021年度に分析を行う準備は十分に整えることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定よりもインタビュー時期が大幅に遅れ、また新型コロナウイルス対策を講じるために予算を多く使ったこともあり、調査人数は当初計画よりも少なくした。しかし各研究協力者へのインタビューは4時間から8時間行うことができ、分析には十分なデータを収集することができたと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は2020年度に得られたデータをもとに、まず研究代表者1名でおおよその分析を行い、その後2名の研究分担者とともに分析内容を精査する。それをもとに年度末から来年度にかけて学会発表や論文投稿を行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症拡大のため、予定していなかったインタビュー調査におけるコロナ対策のための費用が発生した。一方で予定よりインタビュー調査の対象者の人数が減り、かつ1人あたりの面接回数を3~4回と予定していたが、2回で終わった対象者もあったため、結果的に次年度使用額が生じた。それらは昨年度ほぼ参加できなかった学会や研究会等へ参加費用にあてることを計画している。
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