研究課題/領域番号 |
19K03318
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
春日 由美 山口大学, 教育学部, 准教授 (80525585)
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研究分担者 |
川崎 徳子 山口大学, 教育学部, 准教授 (00555708)
田中 理絵 西南学院大学, 人間科学部, 教授 (80335778)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 虐待傾向 / 育児期女性 / 育児困難感 / 育児不安 / ハイリスク |
研究実績の概要 |
本研究は育児期女性の虐待傾向について、どのような要因が重なると虐待傾向に陥りやすいのかについてインタビュー調査を行い、個々の女性を取り巻く環境を含めて個別に検討することである。2021年度の計画は、2019年末から2020年にかけて行った、13名の乳幼児を育児中の女性へのインタビュー調査のデータをもとに、①分析、②学会発表、③論文投稿への準備、の3点であった。 2021年度は①の分析を進め、②の学会発表として、2022年3月に第23回日本健康支援学会年次学術大会でポスター発表を行った。この発表では、一般的にハイリスクと考えられる女性が虐待に至らなかった要因について検討を行った。その要因として、本人に援助要請力があったこと、家族が具体的支援を行い、また各支援者が一歩踏み込んだ支援を行うなど重層的な支援が得られていたこと、子どもが育てやすい子であったことを指摘した。 そして③の論文投稿の準備として、これまでの育児期女性の育児の否定的側面である「育児困難感」や「育児不安」についての研究では用語の混乱があることから、これらの用語について文献研究をもとに整理を行い、「育児困難感」は子どもへの感情であり、「育児不安」は母親自身の不安であり、2つは質的に異なると考えられることなどを指摘した。 また2022年に行われる学会でのポスター発表へも申し込みを済ませている。ここでは虐待傾向に陥っている女性の特徴について、SCATという質的分析法を用いて行った検討を報告する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度予定の①分析、②学会発表、③論文投稿の準備のいずれも行っているため。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、2021年度に準備した学会発表を行う。また並行して、13名のデータのうち、ハイリスクであり、臨床データと考えられる1名を除く、12名分のデータを用い、研究分担者2名と協議しながら論文としてまとめ、投稿を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の影響で、視察や学会発表に出向くことができず、来年度、視察や学会発表への参加を予定しているため。
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