研究課題
基盤研究(C)
入眠困難には不安や反芻などの認知的覚醒が関与している。本研究は、認知的覚醒を実験的に操作し、入眠過程に及ぼす影響を検討した。その結果、(1)眠ろうと努力すると、入眠期初期に強い影響が現れ、寝つきが悪くなるが、入眠期後半には影響はあまりみられないこと、(2)就床前に30分間笑ったり、(3)快適なイメージを思い浮かべながら眠ると入眠期初期の認知的覚醒が低下し、寝つきがよくなることを明らかにした。
実験心理学
眠ろうと努力すればするほど眠れなくなる。このような就床時の過剰な覚醒(過覚醒)が入眠困難の原因となっている。その影響が入眠過程のどの段階まで続くのか、どうすれば過覚醒を低減できるのかを明らかにできれば、入眠困難の有効な対処法となる。本研究の結果、過覚醒は入眠過程の初期に現れること、その時期に快的でリラックスできる心理状態になるよう、就床前に笑ったり、快的なイメージをありありと思い描くことが就床時の過覚醒の低減に有効であることを明らかにした。