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2022 年度 実施状況報告書

乳がん患者へのマインドフルネスストレス低減法による介入効果の検討

研究課題

研究課題/領域番号 19K03355
研究機関関西医科大学

研究代表者

山本 和美  関西医科大学, 医学部, 研究員 (30838149)

研究分担者 蓮尾 英明  関西医科大学, 医学部, 教授 (00460824)
瀬戸 奈津子  関西医科大学, 看護学部, 教授 (60512069)
青木 早苗  関西医科大学, 看護学部, 准教授 (40516168)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワードマインドフルネスストレス低減法 / 乳がん患者 / 婦人科がん患者 / 身体・心理的主観的評価 / 心拍変動
研究実績の概要

日本において医療機関でのがんの根治的治療終了後のがん患者は、定期的な通院以外は病院からのサポートは得にくい現状がある。身心のケアは患者個人の自己管理に任され、長期にわたり再発不安を抱えながらの生活を余儀なくされる。家族や身近な人にもがんの悩みは共有しにくく、生活の質に否定的な影響が及ぼす可能性が大きい。欧米の医療機関では、がんサバイバーへの様々な身心のサポート体制が構築されており、その中の一つとしてマインドフルネスは、患者が自らの身心をセルフケアする力を養う方法として広く提供されている。
本研究では、関西医科大学附属病院の乳腺外科および婦人科で治療を受けたがんサバイバーを対象にセルフケア能力を高めて、生活の質を向上する目的でマインドフルネス・ストレス低減法(以下MBSR)プログラムを実施し、実施可能性および有効性の検証を目的とした。
コロナ禍での対面実施が困難となり、オンライン実施に変更し倫理審査委員会の変更承認を得た後、両科の医師の協力を得て、2回(3名+6名)MBSRプログラムを実施し、前後で身体・心理的効果の評価を行った。
マインドフルネス、セルフ・コンパッション、自覚的ストレス、がん患者のQOLおよびスピリチュアリティ、不安および抑うつ全ての指標において、中から大の効果量を示した。特にQOLおよびスピリチュアリティの効果が顕著であった。また自由記述からは、身体症状の改善と対応の工夫、心理面での改善、病との関係、生きる姿勢など様々な肯定的な感想が得られた。心拍変動の分析は解析途中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究協力者の募集は、乳腺外科および婦人科医経由および外来設置のリーフレットを介して行っている。主治医が多忙な診察時間を割いて本研究の説明および参加要請の労を取って頂いているが、プログラム参加への時間的制約はコロナ禍によるオンラインへの変更によりインターネット環境やパーソナルコンピューターの使用に不安があるなどの理由で参加を辞退されるなど協力者の獲得が困難な状況が続いている。
そのような状況ではあるが、2022年度は合計9名のMBSRプログラムに参加者を得た。しかしまだ目標症例数に至らないため、引き続き研究協力者の募集を行いプログラムを実施・評価する予定である。

今後の研究の推進方策

目標症例数に達していなかったが、コロナ禍の特例により研究期間の1年再延長が認められたため、引き続き研究協力者を募りMBSRプログラムを実施・評価を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

研究協力者数が目標数に達していなかったが、コロナ禍の特例により研究期間が再度延長可能になった。そのため引き続き、研究協力者を募集しMBSRプログラムを実施するための経費として使用予定。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] マインドフルネス・ストレス低減法およびMBSR研究会の歩み2023

    • 著者名/発表者名
      山本和美
    • 雑誌名

      心と社会

      巻: 54巻1号 ページ: 49-54

  • [雑誌論文] The Impacts of Mindfulness-Based Stress Reduction (MBSR) on Mindfulness and Well-being for Regular and Novice Meditators2022

    • 著者名/発表者名
      Ito Yasushi、Browne Cheryl A.、Yamamoto Kazumi
    • 雑誌名

      Mindfulness

      巻: 13 ページ: 1458~1468

    • DOI

      10.1007/s12671-022-01888-6

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] オンラインマインドフルネスストレス低減法コミュニティープログラム -対面プログラムとオンラインプログラムの効果の比較‐2023

    • 著者名/発表者名
      伊藤靖、山本和美
    • 学会等名
      第9回日本マインドフルネス学会学術大会
  • [学会発表] がんサバイバーへの「マインドフルネス・ストレス低減法」の実施2023

    • 著者名/発表者名
      山本和美
    • 学会等名
      第66回日本心身医学会近畿地方会
  • [学会発表] 循環器疾患患者へのマインドフルネスの適用2022

    • 著者名/発表者名
      山本和美
    • 学会等名
      第19回日本循環器看護学会学術集会 教育講演
    • 招待講演
  • [図書] マインドフルな先生,マインドフルな学校2023

    • 著者名/発表者名
      ケビン・ホーキンス、伊藤 靖、芦谷 道子編 山本和美 第2章翻訳担当
    • 総ページ数
      304
    • 出版者
      金剛出版
    • ISBN
      978-4-7724-1941-3

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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