ASDおよびADHDは、併存率が高く、様々なレベルで共通性が報告されている。従って、脳構造、脳機能、症状および行動レベルにおいて、両疾患の異同を明らかにする事は、学術的および社会的意義があると考えられる。当初予定していた複数課題遂行中のfMRIを同一被験者から収集する事は、協力者の負担の観点から変更を余儀なくされた。脳構造においては両疾患は重複する診断であることが示唆され、更に感覚症状に関連する脳機能的結合が両疾患の中核症状(社会認知、不注意症状、多動症状)を説明することを示した。この結果は、感覚症状が両疾患において重要な要因であることを示唆しており、社会的意義があると考えられる。
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