研究課題/領域番号 |
19K03381
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
井口 善生 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (20452097)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 目標指向行動 / オペラント学習 / 動機づけ(モチベーション) / 行動経済学 / 中脳辺縁ドーパミン投射系 / ドーパミンD2受容体陽性細胞 / 化学遺伝学(ケモジェ ネティクス)システム / トランスジェニックラット |
研究成果の概要 |
D2R陽性の腹側被蓋野ドーパミンニューロンが目標指向行動の動機づけの制御においてはたす役割を検討した。そのために,化学遺伝学的手法を用いた標的ニューロンに特異的かつ可逆的な活動操作系と,ラットのオペラント行動の動機づけに関わる内在変数を推定する行動実験系を確立した。 組織化学,生化学および行動科学的な手法を有機的に組み合わせた研究を展開し,D2R陽性の腹側被蓋野ドーパミンニューロンが,側坐核コアへの投射を通じて報酬価格の増大にともなうモチベーションの維持において重要な役割を果たしていることを発見した。
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自由記述の分野 |
行動神経科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
中脳に起始するドーパミンニューロンが関与する生理機能や,その機能破たんに起因する疾患の病態は多様であり,発現分子に基づいた細胞集団の分離・同定と,それぞれの心理-行動機能の詳細な解析の重要性はますます高まっている。本研究は,D2Rを分子マーカーとする腹側被蓋野ドーパミンニューロンが,側坐核コアへの投射を通じて,報酬価格が増大したときのモチベーションの維持に関与していることを発見した。今後は,D2R以外のマーカーをもつ細胞集団の機能解析を同様の方法論ですすめることで,ドーパミン系に関する包括的理解と,動機づけプロセスが障害される精神-神経疾患の病態理解や治療法開発につながることが期待される。
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