本プロジェクトにとどまらず、研究代表者の研究は、一貫してK3 保型関数の明示的構成によって、19世紀数学の華であった保型形式的数論の拡張を目指し、同時に、数理物理学の基本問題であるミラー対称性の研究にも一定の貢献を果たすことを視野に置いた。 その社会的意義:数学は、西欧古代における発生時点から、森羅万象の根本原理に迫ることを目標としていた。この事実は現代でも変わらない。今日人工知能の価値が喧伝されているが、それは、巨大な有限データを高速処理する技術であり、無限要素を思惟して世界の究極を追求する純粋数学とは別種のものである。本プロジェクトもこの根本姿勢に依拠して、社会的意義を考慮して遂行した。
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