標準写像が像の上に双有理となるような極小一般型代数曲面を標準曲面という.幾何種数4の標準曲面は有名なエンリケスの本が世に出てからも長い研究史があるが,研究代表者の研究以前には標準像が正規曲面であるものはほぼ自明な5次の場合しか認識されていなかった.本研究では6次正規標準曲面の具体的な構成法を探るものである.有理曲面の2重被覆で構成した曲面を具体的な方程式を変形して構成する方法が最も有効である.しかし正規かつ標準であるという2条件が満たされていることを証明することが困難であることから,得られた曲面がvolumeが10と11という未知の場合を解決するものか否か明らかにできなかった.
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