コンパクト・リー群に付随して定まる重複度多様体や多重ウェイト多様体について研究を行い、以下の結果を得た。第一に、A型の特殊ベクトル体積関数の微分方程式による特徴付けを論文として発表した。また、その結果の多重ウェイト多様体のコホモロジー環への応用を論文にまとめた。第二に、A型ベクトル体積関数に関する Lidskii の定理を、ワイル群の作用から定まるルート系の基底の族に関する等式へと一般化した。第三に、一般のベクトル系に対して、任意の chamber 上のベクトル体積関数を特徴づける微分方程式系の表示に関する予想を得た。また、これらの研究成果の内容を、いくつかの国内の研究集会で発表した。
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