本研究では,特に非安定域に焦点を置いて自由群の自己同型群のねじれ係数コホモロジーに関する研究を行った.主に得られた結果としては,階数が3の場合に自由群のアーベル化の外部積を係数とするねじれ係数コホモロジー群を計算し,2次元コホモロジー群において安定期の場合と比べてある種の退化が起こっていることが分かった.また,自由群の自己同型群を,自由群のverbal部分群のアーベル化に作用させた場合のコホモロジー群の計算を行った.先行研究などから,1次元のコホモロジーには2つの一次独立な森田コサイクルが存在するが,特に自由群の階数が2の場合にはこれら以外にも一次独立なコサイクルが存在することが確かめられた.
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