研究成果の概要 |
(1) 高階スピンのスピン幾何学の開拓を試みた.第一の成果は,スピン3/2のラリタ-シュインガー作用素に対する固有値計算方法を対称空間上で与え,球面・複素射影空間・四元数射影空間上で計算した.第二の成果は,高階スピンのスピノール場や対称テンソル場の振る舞いを,定曲率空間上で明らかにした.応用として,球面上で高階スピンのディラック作用素の固有値をすべてもとめた. (2) 球面調和解析におけるPizzetti公式を,向き付き実グラスマン多様体Gr(2,n)上へ一般化した.その過程で,Gr(2,n)上の不変微分作用素らがヒッグス代数と呼ばれるsl(2,R)の変形代数を成すことを解明した.
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