| 研究課題/領域番号 |
19K03483
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| 研究機関 | 近畿大学 |
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研究代表者 |
鄭 仁大 近畿大学, 理工学部, 講師 (30587788)
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| 研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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| キーワード | デーン手術 / モンテシノス結び目 / 交代結び目 |
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| 研究実績の概要 |
２橋結び目や２橋絡み目，交代結び目，モンテシノス結び目に沿ったデーン手術に関する研究を行い，以下に述べる研究成果を得ることができました．
１．全ての２橋結び目について，コスメティック手術予想に対する肯定的な解答を得ました．つまり，任意の非自明な２橋結び目は，純コスメティック手術対（２つの異なるスロープに沿ったデーン手術の対で，向きを込めて同相な３次元多様体を生むようなもの）を許容しないことを証明しました．また，全ての交代的ファイバー結び目および交代的プレッツェル結び目についても，コスメティック手術予想に対する肯定的な解答を得ました．これらの研究についての成果は，市原一裕氏（日本大学），斎藤敏夫氏（上越教育大学），Thomas Mattman 氏（California state University, Chico）との共著論文として，学術雑誌 Algebraic and Geometric Topology に掲載が決定しました．
２．例外的デーン手術を許容する双曲的2橋絡み目をすべて決定しました．前年度で得られた，２橋絡み目の候補がどのような例外的デーン手術を許容するかを決定しました．この研究についての成果は市原一裕氏（日本大学），正井秀俊氏（東京工業大学）との共著論文として，現在執筆中です．
３．交代的モンテシノス結び目について，コスメティック手術予想に対する肯定的な解答を得ました．つまり，任意の交代的モンテシノス結び目は，純コスメティック手術対（２つの異なるスロープに沿ったデーン手術の対で，向きを込めて同相な３次元多様体を生むようなもの）を許容しないことを証明しました．これは１の結果をさらに拡張したものとなります．この研究についての成果は市原一裕氏（日本大学）との共著論文として，現在執筆中です．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2橋結び目についてのコスメティック手術予想の肯定的解決を土台として，さらに広い結び目のクラスである交代的モンテシノス結び目に沿ったコスメティック手術予想についても，前年度の計画どおりに解決することができました．一般の交代結び目，モンテシノス結び目におけるコスメティック手術予想の研究も着手しており，さらなる発展を目指すための準備が整ってきたと言える状況です．また，当初計画していた方針の研究についてはまだまとまった成果は得られていないものの，情報収拾を続けながら研究を進めています．
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| 今後の研究の推進方策 |
2橋結び目や交代的モンテシノス結び目に沿ったコスメティック手術の研究では，様々な結び目の不変量を用いた手法による研究を展開しました．この手法は一般の交代結び目や，モンテシノス結び目におけるコスメティック手術の研究に適用することができると考えており，引き続き研究を進めたいと考えています．また，2橋絡み目の例外的デーン手術の研究をまとめ上げることも行い，当初の計画にもあった鏡像を生むコスメティック手術に関する研究も引き続き進めていきます．
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| 次年度使用額が生じた理由 |
研究成果発表および情報収拾のための学会・研究集会が，COVID-19の影響によりすべてオンラインでの開催となり，出張旅費の消費が行われなかったため， 残額が生じました，また，同様の理由で専門知識の提供による謝金を支払う機会も設けることができませんでした．今後のCOVID-19の感染拡大に依るところもあ りますが，来年度以降に予定されている研究集会について，当初の計画よりも多くの出張を予定し，引き続き研究を進めていく計画です．
また，昨年度から行っている研究において，高性能な計算機が必要な計算を進めています．具体的には，結び目の無限族に対して不変量を計算し，それらから得られる連立方程式の解を解析する研究です．当初の計画にはなかった計算が必要になった場合，高性能な計算機の購入も視野に入れています．
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