データ解析、時系列解析から両側力学系を再構成できるという多様体上のTakens の埋込み定理が知られているが、研究代表者は本研究で、Takens の定理をより一般的な空間と連続写像にまで拡張できることを示した。Takens の定理は、実験から数学モデルの再構成可能性を保証する実験科学における最重要な定理であるが、適用範囲は多様体上の滑らかな力学系に限られる。研究代表者の定理は、より複雑な空間の片側力学系にも応用できる広範な定理である。なんの制限もない片側力学系を解明するには、時系列データの遅延座標による(軌道的)埋込みが鍵になることを理論的・数学的に証明した定理である。
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