パーコレーション問題は,スポンジのような多孔質の物体への流体の浸透現象の模型として研究が始められ,現在ではランダムな図形の解析・研究において最も基本的な確率モデルと位置づけられている.このモデルの研究を深めるとともに,それを通じて得られた経験を生かして,ランダムウォーカーの軌跡の特徴とその極限挙動に及ぼす影響を精密な極限定理によって記述し定量化することを目的として研究を推進した.ファーストパッセージパーコレーション問題,過去の履歴から影響を受けるランダムウォーク等について精密な極限定理を得ることができた.この研究の応用として,至るところ微分不可能な連続関数の性質を記述する極限定理も得た.
|