研究課題/領域番号 |
19K03528
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12010:基礎解析学関連
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研究機関 | 津田塾大学 |
研究代表者 |
中屋敷 厚 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (10237456)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | KP 方程式 / 特異代数曲線 / ソリトン / 準周期解 / テータ関数 / 頂点作用素 / 佐藤のグラスマン多様体 / 浅水波 |
研究成果の概要 |
KP方程式は浅水波の方程式で、準周期解とソリトン解は多様な解の中でも特に興味のある2つのクラスの解である。準周期解は非特異代数曲線のテータ関数と呼ばれる関数を用いて記述される。本研究では、非特異代数曲線が、特異点を持つ代数曲線に退化するのに伴う準周期解の退化とそのソリトン解との関係について研究し次のような結果を得た。つまり準周期解の極限は、特異点を持つ代数曲線の特異点を解消して得られる非特異代数曲線に対応する別の準周期解に、KP階層の頂点作用素と呼ばれる1980年代に伊達、神保、柏原、三輪により導入された作用素を作用させて得られる。
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自由記述の分野 |
可積分系
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ここ20年間の研究で、KP方程式のソリトン解についての認識は一変し、多様な網目状の形状があり得ること、および、そのような解は現実に浜辺などで観測されることなどが分かってきた。準周期解は、周期無限大の極限でソリトン解になると考えられており、ソリトン解についての新しい認識をもとに、その形状を調べることは興味ある問題である。本研究の結果は、準周期解の中にソリトン解の形状が埋まっていることを示唆しており、準周期解の形状について重要な知見を与えるものである。数学的には、代数曲線のテータ関数のある種の極限の形状を特定したことになり、テータ関数論、代数幾何学の観点からも興味のある結果である。
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