遠方で発散するポテンシャルをもつディラック作用素のレゾナンス非存在領域を見出した.次にシュレーディンガー作用素のレゾルベントの解析を行った.次の内容である.エネルギーに依存する複素電場ポテンシャルおよび磁場ポテンシャルをもつシュレーディンガー方程式を考える.これは,摩擦項を含む波動方程式の定常問題の方程式と考えることもできる.ポテンシャルには適当な滑らかさおよび遠方での減衰を仮定すると,散乱振幅が定義される.散乱振幅に関して次の結果が得られた. (1)散乱振幅の高エネルギーでの挙動から電場および磁場を再構成できる. (2)散乱振幅の高エネルギーでの漸近展開を得ることができる.
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