研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ラマヌジャングラフなどに代表される効率のよいネットワークの特徴づけとして,グラフ上の量子エルゴード定理や量子カオスに注目した研究を行った.量子カオスは,ラプラシアンの固有関数の挙動に関する現象である.ラプラシアンや固有関数のふるまいを調べる基礎として, 我々は, 正則グラフの隣接行列のレゾルベントに現れる幾何的な量に着目し,その非自明な部分の分布について決定した. また,巨大な正則グラフの隣接行列の固有値の分布などの例に現れるケステン分布の一般化について,そのモーメントに関する新しい等式などが得られた. この結果は,上記のグラフの幾何的な量にも関係する.
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