研究課題
基盤研究(C)
本研究では、複雑ネットワーク上のパーコレーションモデルが示すロバスト臨界性とネットワーク構造の関係を調べた。特にネットワークの階層性、双曲性、次元性に注目し、階層ネットワークがpersistent rootなる頂点を持たない場合にロバスト臨界性が現れること、双曲的なネットワークであるツリーにランダムショートカットを追加すると臨界相が消失すること、フラクタルネットワークモデルの次元を有限から無限に動かしたとき、次元が有限である限りロバスト臨界性は現れないことを確認した。
統計物理
本研究は、複雑ネットワーク特有の相転移現象に関する新たな理解を提供するものである。階層性、双曲性、次元性といったネットワークの性質とロバスト臨界性の関係性を論じた点に独自性があり、学術的意義を持つ。ネットワークの頑健性解析や感染症モデルの研究が実ネットワークの設計や感染症対策に応用可能であることから、本研究で得られる理解が、インフラの強化や公衆衛生の向上に貢献することが期待される。