研究課題
基盤研究(C)
(1)粘着テープの剥離で観られる時空パターンについて、時間差を考慮した大域的かつ非対称局所的相互作用をもつ確率セルオートマトンモデルを構築し、解析を行った。(2)粘着テープの剥離で見られるスティックスリップ(自励振動)はリミットサイクル振動として理解され、一般に連続変数に基づく常微分方程式系で議論される。我々は、リミットサイクル振動を有する連続力学系に対してトロピカル差分を行って得られた離散力学系に着目した研究を行った。
非線形動力学、非平衡系の物理学
粘着テープ剥離で観られる動的転移とその前駆現象は、実用的に重要でテーマである。また、より一般に、これらの現象は分岐現象・時空パターン形成現象として捉えることができ、非線形動力学、非平衡統計力学の観点からも興味深い現象であるといえる。特に、時空パターン形成現象については、連続系、および、離散系のモデルが構築されていが、両者の間にどのような数理的関係があるかという問題は、ウルフラム第9問題としても広く知られている重要な問題である。