研究課題
基盤研究(C)
量子物理系の時間発展は、系のエネルギーと直接結びつく最も基本的な特質であるにもかからわず、多くの場合時間発展は予め定まっていることが多く、しばしば見過ごされることのある論点であった。本課題では、弦理論や物質の臨界現象で大きな役割を果たす2次元の共形場理論と呼ばれる量子系について、通常考えられている時間発展以外の時間発展をも考慮した上でこれを分類し、共形場理論の様々な側面について相互の関連など包括的な理解をさらに深めることができた。
素粒子理論
量子場の理論は、現代の理論物理学の根幹をなしているが、その中で高い対称性を持つ共形場理論は、最も基本的な量子場の理論と言え、特に重力を含む統一理論の候補である弦理論や物性系における臨界現象の研究において大きな役割を果たしている。そのような共形場理論の量子化について新規かつ深い視点を提供した本課題は、今後弦理論や臨界現象を含む物性系の理解を大きく進めることに寄与するものである。