本研究は、分子雲形成の研究にOHラジカルがトレースする低密度の分子雲を含めたことに新規性がある。中性水素21cm線がトレースする水素原子雲と一酸化炭素分子輝線がトレースする分子雲の間には密度のギャップがある。OHラジカルがこのギャップを埋める。分子雲の形成・進化の議論を低密度水素原子ガスから高密度分子雲までシームレスに追うことができるようになる点で、学術的意義は大きい。また、この研究は臼田64m鏡といった国内の望遠鏡を観測に使っている。L帯の研究開発は日本では立ち遅れている部分があり、L帯の高感度受信機を開発する点において、日本のL帯天文学を発展させる意味で学術的意義は大きい。
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