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2020 年度 実施状況報告書

新星の爆発初期のイジェクタ構造の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K03933
研究機関京都産業大学

研究代表者

新井 彰  京都産業大学, 神山天文台, 研究員 (30582457)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード新星 / イジェクタ構造 / 分子 / リチウム / ベリリウム
研究実績の概要

2020年度における研究実績は、次のとおりである。昨年度に引き続きデータ解析およびその論文を2稿投稿した。

1つ目の論文は、新星の観測史上2例目となる、C2とCN分子をカシオペア座新星2020の爆発初期に検出した成果をまとめたものである。新星の爆発初期は、約8000--10,000K程度の高温な外層構造を維持するが、非常に稀に外層の温度が低くなり、分子が検出される場合がある。これまでに2例しか成功していなかったが、この度、分子スペクトルの検出に成功した。この研究はアマチュア観測家との共同研究であり、プロ・アマの垣根を超えて得られた研究成果である。

2つ目の論文は、いて座新星2015 No.3の高分散分光観測によって検出されたベリリウム7の測定結果をまとめたものである。ベリリウム7は、リチウム7に壊変することが知られており、古典新星が天の川銀河のリチウムの主要な供給源の1つであると考えられている。我々の観測結果は、いて座新星2015 No.3が放出したリチウムの(水素に対する)組成比は、過去にベリリウムが検出された7つの新星と比較すると少ないこと、そして、理論の最大値と近いことを示した。今後は、より多くの新星のリチウム組成を調べることにより、新星の熱各暴走反応モデルとの比較を進める。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

既存データの解析や、国内で得られた新規データを用いた研究によって、2報の論文を投稿した。1報は出版済みであり、もう1報の対応を継続している。
一方で、新型コロナウィルスによる影響で年度末ごろの観測や出張ができなくなったことも影響し、新たな観測データの確保が進んでいない。

今後の研究の推進方策

今年度と同様に、既存のデータの解析を進め研究成果を論文として出版する。
次年度は、データストレージの強化を図る。
論文出版に加えて、研究成果を国内外の会議で発表する。

次年度使用額が生じた理由

助成金に繰り越しが生じた理由は、国際会議や海外への観測のための渡航が実現できなかったためである。当面この状況は継続されると思われる。次年度は、研究環境の拡充に使用する計画である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Transient Formation of C2 and CN in the Near-maximum Phase of Nova Cas 2020(=V1391 Cas)2021

    • 著者名/発表者名
      Fujii M.、Arai A.、Kawakita H.
    • 雑誌名

      The Astrophysical Journal

      巻: 907 ページ: 70~70

    • DOI

      10.3847/1538-4357/abd02e

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [備考] 特殊な低温度新星爆発を発見

    • URL

      https://www.kyoto-su.ac.jp/news/20210202_859_nova.html

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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