東シナ海における海水温の長期変動を明らかにするための領域海洋モデルを用いた1871~2010年の過去再現実験の結果、海面水温上昇は全域で一様ではなく、黒潮流軸付近と中国沿岸域で全球平均の上昇トレンドより2~3倍程度大きいことを明らかにした。どちらの領域でも海流による温度移流の変動が水温上昇の主要因である。 一方、領域大気モデルを用いて黒潮の大蛇行による海面水温の変化に対する冬季の大気応答を調べた結果、黒潮の大蛇行に伴う日本沿岸の正の海面水温偏差上で海上風の収束、その南の冷水渦上で海上風の発散が生じていた。また日本沿岸の正の海面水温偏差上では降水日数が統計的に有意に増加している。
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