研究課題/領域番号 |
19K03981
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17020:大気水圏科学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
小林 大洋 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(海洋観測研究センター), 主任研究員 (10360752)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 南極底層水 / 長期トレンド / レジームシフト / メルツ氷河舌崩壊 / 深海アルゴ |
研究成果の概要 |
本研究では、豪州南極海盆ウィルクスランド沖(110°E付近)の南極底層水の水温・塩分・溶存酸素の1930年代から2022年までの長期時系列データを作成し、解析した。得られた主な成果は以下の通り。(1)同海域に分布する南極底層水は、遅くとも1970年代から低塩化・温暖化、体積の減少の長期傾向を示している。(2)2010年中頃以降、南極底層水の変化はこれらの長期傾向から反転する傾向(「変調」)にあり、その原因としてメルツ氷河舌崩壊の影響が伺われる。(3)2010年代中頃から豪州南極海盆東部域で広く観測されている南極底層水の最深部の高塩化は、南極底層水自身の低塩化の停滞に起因する。
|
自由記述の分野 |
海洋物理学
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
南大洋に起源を持つ南極底層水が高温・低塩化し、その体積が減少していることは広く観測されている。しかし、その知見のほとんどは、1990年以降、10年程度の間隔を空けて数回実施された船舶観測結果に基づくものであり、1990年以前の状況や、その変化の詳細についてはほとんど不明であった。本研究は歴史的観測データから長期の時系列データを作成することで、海域は限られるものの1930年代からの南極底層水の変化を示すことに成功した。また、豪州南極海盆東部域の広範囲で近年報告されている南極底層水の「高塩化」が生じるメカニズムを明らかにし、その真の原因は南極底層水の低塩化の停滞にあることを示した。
|