奥美濃地域の冠山周辺にみられる山体重力変形地形は、約1万年前に形成されその後は変動することなく安定して存続しており、深層崩壊の前兆現象ではない。大和地域では平成30年、令和2年に地すべりが発生したが、その前後に行われた航空レーダ測量の結果、深層崩壊前には山体重力変形地形が発達していたことが確認できた。上高地地域では、梓川左岸の山地が大規模に山体変形していることが明らかとなった。南アルプス地域では現在活発に活動している口坂本地すべりと、その上部に認められる線状凹地の形成・発達とは関連がないことがわかった。スイスベドレット地域では氷河の後退に伴って形成された山向小崖を調査中である。
|