近年,地球温暖化に伴い白化現象が頻発し,2016年には琉球列島サンゴ礁北限に近い鹿児島県喜界島においても白化が確認された.本研究では,この喜界島において礁微地形に着目し,海水温変化と気象・海象の関係を検討した. 夏季の標準的な気象条件では,礁地形に関わらず気温に対応した規則的な海水温変化を示す.これに対し,夏季卓越風と異なる風向や強風時には,開放的礁地形の地点で海水温が変化しやすく,特に南東岸の花良治では,陸側から,あるいは島伸長方向の強風時に海水温が低下する.これは暖かい表層海水が吹送され,下層の低温の海水が流入するためと考えられる. 一方,降水量は海水温に大きく影響しない.
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