火山の巨大噴火が,社会にもたらす災厄について熟考すると,降下火山灰が最も大きなインパクトを与え,防災対策において最優先の課題である.しかし,巨大噴火は滅多に起こらないため,機器観測や有史記録が少なく,対策立案の示標となる降下火山灰の継続時間を得るのが困難である.そこで本研究では,過去の火山噴出物を調べ,降下火山灰の継続時間が変化する原因を検討した.具体的には,巨大噴火の様式推移とマグマの化学的性質を調べ,マグマの性質に起因する噴火の推移(変化)が継続時間に影響することが判った.本研究のようなアプローチは,過去の噴出物を研究対象とすることから,世界中の巨大噴火において同様の検討が可能である.
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