• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 研究成果報告書

Tremor震源近傍の異常構造の定量的評価に基づく、スロー地震断層の新しい描像

研究課題

  • PDF
研究課題/領域番号 19K04010
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分17040:固体地球科学関連
研究機関東京大学

研究代表者

藤 亜希子  東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特別研究員 (70587344)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード南海トラフ / 地震波散乱 / スロー地震 / 震源と構造の相互作用 / 微動 / 超低周波地震 / 海底広帯域地震計 / 低周波微動
研究成果の概要

[1] 南海トラフで2015-2017年に発生した浅部超低周波地震(sVLFE)を、発生域直上のDONET1広帯域海底地震計で捉えた記録を利用し、それらの震源位置と地震モーメントテンソルを推定した。得られたけ分布は、この地域に沈み込む海嶺の影響を受けて、トラフに沿って南側と北側で歪みの蓄積解放様式が異なることを示唆するものであった。
[2] 既存の微動発生モデルでは説明できない波形を呈する微動をDONET1記録から発見し、Short-duration tremorと名付けた。波形解析及び波動伝播シミュレーションにより、それらが震源周辺の強い地震波散乱構造により説明可能であることを明らかにした。

自由記述の分野

地震学

研究成果の学術的意義や社会的意義

[1]南海トラフ東部の超低周波地震の分布が、沈み込む海嶺の影響を受けていることを明らかにした。この結果は、この領域における津波発生の空間様式を予測するうえで重要である。
[2]普通地震と微動の波形の違いが、震源過程だけでなく震源周辺構造の違いにも起因することを明らかにした。微動震源周辺には、強い地震波散乱構造が在る可能性を示した。この異常構造がスロー地震断層構造そのものである可能性が高く、今後のスロー地震のメカニズム解明の鍵となると考えられる。これまでの地震学であまり着目されてこなかった「地震の震源とその周辺構造の相互作用」という現象の重要性を示唆する結果を得た。

URL: 

公開日: 2024-01-30  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi