研究課題
基盤研究(C)
本研究では、地表変位データ解析のための基礎技術開発を行いながら、地表変位と地震活動との比較研究を進めた。主な成果として、以下の2つがある。(1)2011年東北地方太平洋沖地震の余効変動・余震活動の時間減衰に違いがあることを見出した。両者をべき乗則でモデル化した上で、単純な摩擦力学から予測される結果とは異なる傾向であることを示した。(2)トンガ海溝沈み込み帯において、地表の非定常変位と深発地震の活動低下とが同時期に生じていたことを発見し、大規模なスローイベントが発生していた可能性を示唆した。
固体地球物理学
本研究では、地下の地震活動と地表で観測される変位との関係について、機械学習など情報科学分野の技術を取り入れつつ、解析を進めた。その結果、大きな地震の後に余震がどのように減っていくか、あるいは、プレート沈み込み帯の浅部と深部にどのような繋がりがあり得るかに関して、複数の知見を得た。いずれも、複雑な時空間的性質を持つ地震活動の定量的理解を深める上で、1つのカギとなるものである。