電気的負荷と力学的負荷の作用するフレキシブル銀ナノ粒子電子配線において、金属凝集塊の形成とエレクトロマイグレーション(EM)による局所的な配線厚さの減少が複合的な損傷要因であり、EM損傷機構として、多孔質体であった配線内部構造が、通電に伴い結晶粒様の銀粒子の凝集体を形成し、その粒界に沿って原子が拡散することを世界で初めて示した。一般的な粒界拡散によるEM損傷は電流の負極側で生じるが、銀ナノ粒子配線においては陽極側で損傷が生じた。この現象を再現するためには、配線内における結晶粒サイズの不均一性を考慮した原子拡散モデルを構築することが必要であることがわかり、その数理モデル作成に逸早く取り組んだ。
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