研究課題
基盤研究(C)
研究代表者らが初めて実験で発見した、2種類の液体が一部だけ混ざり合う部分混和性により二流体の粘度差に由来する流動界面がトポロジカルに変化する現象を、数値的に再現することに初めて成功した。これは、部分混和性に由来して生じる相分離とその相分離の際に自発的に発生する液体の流れの効果(Korteweg効果)を、従来の二流体の粘度差に由来する流動界面を記述する流体力学方程式群に組み込んだ新たな数理モデルを構築し、それを数値シミュレーションすることで得られた。
化学液体力学
今後、この数理モデルを用いた数値シミュレーションから、部分混和系粘性フィンガリングの新しいダイナミクスを見出し、それを実験的に検証するというアプローチが可能になる。また部分混和系の粘性フィンガリングが、地層からの石油回収プロセスや地層へのCO2圧入プロセスで発生していることがわかっており、本研究成果は、それらのプロセスにおける現象予測の高精度化や、部分混和性を利用した当該プロセスの新たな制御法の創出へ寄与することが期待される。