研究課題/領域番号 |
19K04191
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
牛田 晃臣 新潟大学, 自然科学系, 助教 (10582976)
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研究分担者 |
佐藤 大祐 新潟大学, 研究推進機構, 助教 (70778703)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 界面活性剤水溶液 / 紐状ミセル / 流動特性 / 流動誘起構造 / 急縮小急拡大流れ |
研究実績の概要 |
本研究では,急縮小急拡大流れにおける紐状ミセル界面活性剤水溶液の流動特性および流動誘起構造を精密に検討することを目的とする. 初年度の主目的は,実験装置作製と流動特性に関する実験である.実験装置の作製に関しては,先行研究で使用した実験装置(流路,シリンジポンプから流路への液体輸送のためのビニールチューブなど)に高圧力の測定のために耐圧処理を施した.特に,最大で500kPaを測定する必要があるため,アクリルやビニールチューブなどの部分を金属や耐圧チューブなどに置き換え,圧力計も高圧測定範囲に変更した.次に,急縮小急拡大流路(スリット流路)は,ワイヤーカットによるステンレス片をガラス平板で挟み込むことにより作製した. 水およびシリコンオイルを使用した実験により,改良した実験装置,測定機器の校正を行った.校正のための実験では,作製したすべてのスリット流路において,実験結果は数値計算による予測値と実験誤差の範囲で一致し,実験装置,測定手法の妥当性を確認することができた.また,紐状ミセル界面活性剤水溶液の場合は,予測値とは一致せず水の値(予測値)を大きく上回る結果となり,さらに,界面活性剤水溶液の種類により異なる流動特性を示すことも明らかにした. また,初年度の計画を順調に消化できたため,2年目以降の計画を前倒し,光学手法による流動誘起構造の解明に着手した.実験装置の改良や校正が主となったが,位相差測定による流動誘起構造の把握が問題なくできることを確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
実験装置・流路の作製および校正は問題なく進んだ.また,水およびシリコンオイルを使用した実験により,数値計算による予測値・従来の研究による実験結果とおおむね一致する結果を得ることが出来た.また,紐状ミセル界面活性剤水溶液の場合も新しい知見を得ることができている.流路サイズが微小であるため,ホコリなどによる目詰まりなどが発生し,再度作製が必要になる場合もあるが,その場合も問題なく作製できている.
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今後の研究の推進方策 |
計画通りに進捗しているため,2年目以降の計画を前倒しして,光学手法を使用した流動誘起構造の解明を進めていく. また,初年度に得られた研究成果を発表する準備も進めていく.
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次年度使用額が生じた理由 |
本余剰金は,実験装置改良に関する材料費が比較的安価であったこと,論文の英文校正に関する費用が割安であったことによる. そのため,今年度は見積額に合わせて進めていく予定である.
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