研究課題
基盤研究(C)
本研究は、固気液三相界面における濡れの物理モデルの構築および、濡れ性を考慮した沸騰現象の数値シミュレーションが目的である。計算手法としてVOF法を用い、沸騰・凝縮現象を取り扱うために、エネルギー方程式に相変化モデルの組み込み、さらに乱流による熱輸送量を考慮するため、低レイノルズ数モデルであるk-ωSSTモデルを組み込んだ。相変化モデルにおける物質輸送係数を蒸発と凝縮に対してそれぞれ異なる値を用いることで、強制流動サブクール沸騰における気泡挙動を数値的に再現することが可能となった。
熱工学
濡れ性は固気液三相界面で生じる現象であり、その物理モデルの構築は様々な分野で応用が期待される。本研究では、濡れ性を考慮した強制流動沸騰現象の数値シミュレーションを実施した。相変化を伴う熱交換器、ボイラ、エアコン・冷凍機器におけるエバポレータ、コンデンサ、高性能電子機器冷却などにおいて高い冷却性能を持つ相変化熱伝達の解析、冷却・伝熱性能の評価を行う上で重要となるものである。様々な流動系に適用することが可能であり、上昇流のみならず水平流、下降流、傾斜流など実際の機器の設計に応じた解析が可能である。