スマートフォンなどの携帯情報端末の普及に伴い,身近な生活空間における電磁環境は複雑化している.複雑な電磁環境に置かれた電気・電子機器内部の電子回路には,不要な電流(電磁ノイズ)が誘導され,誤動作を引き起こす原因となる.電子回路を外部電磁界から完全に遮蔽できない場合,電子回路上に誘導された電磁ノイズを抑制することが,電気・電子機器の誤動作を防ぐ手段として有効である. 近傍界ノイズ抑制素子は,能動素子を利用することによってノイズ抑制特性を制御することができるため,その実用化を図ることは,刻々と変化する外部電磁界に自律的に対応できる誤動作を起こしにくい電気・電子機器の実現に寄与するものと考えられる.
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