コロナ禍を経験した我々にとって,機器に対する音声コマンド機能の重要性はますます高まっている。音声コマンドは音声認識によって実現され,音声認識性能は受音信号の品質に依存する。その際,音源方向によって選択的に受音するマイクロホンアレー技術が重要になる。その際,音源方向の検出がポイントであるが,コスト減を考慮して2マイクロホンを利用した場合,精度が劣化する。推定精度向上にはマイクロホン間隔拡張や高周波音の利用が有効であるが,空間エイリアシングによる推定結果の不定性の要因となる。本研究の成果は,不定性のある状況において,正解方向を検出する技術を明らかにしており,学術的・社会的意義が高いと考えられる。
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